大事なものは手から滑り落ちてゆく

料理ができないことを日頃から公言している私ですが、

「そうは言っても、できるのよね」

などと言われることがあります。

お気持ちは分かります。

日本には謙遜を美徳とする文化があるため、このような痛烈な誤解を招いてしまうのでしょう。

しかし我が家は、日々の炊事を全て夫が担うという、性別役割分業を完全に無視した家庭です。

料理には、さまざまな工程がありますが、私が最も苦手とするのが「野菜の皮を剥いて切る」という作業です。

このタスクを順当に達成できた試しがありません。

包丁で指先を切る、などといった生易しいものではなく、まな板が血で染め上げられるほど派手に負傷します。

恐ろしいので、最近は子ども包丁を使うようにしているのですが、先日、梱包されたジャガイモを取り出そうと、ビニールに切り込みを入れたところ、勢い余って、ざっくりと手を切ってしまいました。

料理を開始する前から大惨事です。

子ども包丁といえども、侮れません。

凶器そのものです。

このような話をすると

「ピーラーやスライサーを使えば簡単よ」

という助言をしてくださる方がいます。

お気持ちは分かります。

こうした調理器具は、材料を薄く削ぎ落とすような調理加工全般に有用で、高い安全性を誇る製品でもあります。

しかし、私はピーラーで指の肉を削いだことは数知れず、挙げ句の果てには爪まで削いでしまったことさえもあります。

おそらく、筋肉の動きの制御と指令を司る大脳皮質に問題があるのではないでしょうか。

その証拠に、取り扱いに細心の注意を払わなければならないものを頻繁に破壊します。

決して故意ではなく、気づけば手から滑り落ちているのです。

食器類はどれほど粉砕させたか数えきれません。

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(江戸切子もすべて割れました、というか割りました...)

10個セットで買ったワイングラスが翌月には1個になってしまうのです。

夫には、購入した物品を梱包されたままの状態で保管する(そして忘れる)という習性があります。

ある日、私は大きな箱に収められた非常に立派なガラス製の花瓶を発見しました。

聞けば、夫がパリで買ってきた10万円以上もするものだそうです。

箱に入れておくのはもったいないので、早速使ってみようと箱から出した瞬間、床に落下し、粉々に砕け散りました。

その変わり果てた姿に夫はしばし無言でしたが、幸いにも、当時はまだ新婚だったので、彼も優しく

「…これからは気をつけてね…」

という口頭注意で済みました。

今なら半殺しにされているところです。

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