毎朝、私を惹きつける風景

楽しみにしていた、こちらの本が届きました。



写真家である梶山正さんが妻のベニシアさんとの里山暮らしを綴った随筆です。

冒頭には、家探しのために空き家巡りをするご夫婦の様子が描かれています。

二人は多くの物件を見て回り、ようやく大原と呼ばれる集落に佇む古民家に出会います。

我々夫婦も(私が主導ではありましたが)同じようなことをしていたので、親近感を抱かずにはいられません。

文章に添えられた写真も本当に美しく、どのページをめくっても幸せな気持ちになります。

以下はベニシアさんの言葉です。

「毎朝、いちばん私を惹き付けるのは、庭から見えるこの山。

これまでいろんな国に行ったけれど、この山の佇まい、光の入り方、本当に美しいと思うの。」

私も毎朝、同じように感じているので、当該箇所を読んだ際には、首が痛くなるほど頷いてしまいました。

思い返せば、私もこれまでたくさんの国や地域に暮らしてきました。

英誌エコノミストによる「世界で最も住みやすい都市ランキング」において、4年連続1位を獲得しているメルボルンに暮らしたこともあります。

緑が織りなすガーデンシティ、お洒落なカフェ文化、美食とアートが融合する街、美しい歴史的建造物、どれをとっても素晴らしく、感嘆するばかりでした。

しかし、物価の高さには苦慮しました。

ペットボトルの水が300円、あるいは400円ほどします(当時は日本円が弱かった)。

日本の2倍から3倍の物価という印象を抱きました。

DAISOができたと聞いた時には「1ドルで買い物ができる!」とスキップで駆けつけましたが、商品の価格はどれも3ドルでした。

メルボルンで最初に暮らしたのは車庫の屋根裏で、立ち上がると天井に頭をぶつけてしまうような部屋でしたが、家賃は約10万円ほどでした。

その後、もう少し人間らしい暮らしがしたいと思い、猫額ほどのアパートに移り住みましたが、家賃は17万円以上でした。

まるでディズニーランドの中に暮らしているかのように、所持金が消失していきました。

私は学生という身分だったので、就労によって金銭を得ることはできませんでしたが、アルバイトの時給も日本の倍以上と聞きました。

現地で収入を得ている人にとっては、物価が高く、暮らすのもやっと、ということはなさそうです。

そのようなわけで、メルボルンは私の中で「お金があればきっと住みやすいであろう都市」に認定されています。

カリフォルニア、クアラルンプール 、ソウル、ハワイ、インド、タイなど、世界中のいろいろなところに暮らしたり、長期滞在をしたりしてきましたが、不思議なことに、今暮らす里山が最も居心地よく感じられます。

ベニシアさんのように、朝起きて、庭から山々を眺めると、何とも言えない幸福感に包まれます。

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ここに暮らすためなら、職場までどれほど遠くても耐えます。耐え抜きます。

夫は「職住接近」が一番だと言いますが、従順な妻という概念から最も遠い場所にいる私は、聞こえないふりをして、今日も庭から美しい山々を眺めています。

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